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予算の管理

何をするにせよ予算は最も重要な要素です。

世知辛い世の中を生き抜いていくためにはお金が必要なのです。

なんて言っていると悲しい気持ちになりますが、やはり大事です。

許容範囲の中でできることを最大限にするためにというお話です。

施主であるあなたは建築のどの部分にどの程度の金額を振り分けていくのかを決めないといけません。

まずはお手持ちの自己資金で建築プロジェクトにかけられるのはいくらなのか。
そして金融機関からの借入はいくらにするのか。
この二つを足したものが総予算になります。

自己資金 + 住宅ローン = 総予算

自分は住宅ローンの借入がどのくらいできるのかを心配されている方は多いと思います。心配な方は金融機関へ一度相談に行くと良いでしょう。過去3年分の源泉徴収票があれば金融機関で事前審査をしてもらえます。借入が出来るかどうかがわかります。
計画してみたのは良いけど後々審査に通らなくて…、という事態は誰も嬉しくありません。
まずはいずれかの金融機関で事前審査をしてみましょう。最近は窓口へ行かなくてもネット上で申請ができるようになっています。

設計屋は悪代官に非ず
予算の話をするとデリケートなプライバシーに関わる内容なのでなかなか素直に話をしてくれない方もおられますが、何も高いものを無理やり買わせようという魂胆がある訳では決してありません。限られた範囲の中で建物の規模や仕様について出来得る最大限のことをしたいと思っているのです。より安くしたいという思いは私たちも同じです。しかしなりふり構わず業者に対して過度に安くしろ安くしろという態度はよろしくありません。なぜなら完成後は施工業者との長い付き合いの始まりでもあります。何か不具合があった際には気軽に相談できる良い関係を築いておきたいですよね。

全体予算に目処が立ったら今度はその振り分けです。建築に関わってくるのは下記のような項目になリます。

土地取得の費用       造成工事費

地盤改良工事費       建築本体工事費

設計監理料         外構工事費

諸々の申請費用(水道加入金、建築確認申請等)

火災保険          地震保険

登記費用          融資手数料

家具家電購入費用      カーテン、ブラインド費用

引越し費用         不動産取得税

これらに凡そどの程度かかるのかを把握した上で自己資金と借入のバランスを検討すると良いです。ご相談くだされば資金計画書を作成いたします。

項目が多くありますがこの中で大きな割合を占めるのは土地購入費用と建築費用です。もし土地探しからスタートされる方はこの二つのバランスが大事です。住む場所にこだわるか、住む建物にこだわるか。もちろん両方大事なのですが
極端に言えば
街中でプレハブのような住まいにするのか
市街地からは少し離れて多少不便だけど広い庭があって自分のわがままの詰まった家を建てるのかといった具合です。

何にどれだけ割振れるかを把握、検討することはとても重要なのでしっかり確認していきましょう。

住宅ローン
住宅ローンを検討する際には金利、保証料、事務手数料、団信保険の内容を比較し総合的に決めることをお勧めします。

借入額の目安
自分が借りられるだけ目一杯借りてしまうと急遽何かでお金が必要になった時に困ってしまいます。月々の返済額に無理がないかどうかしっかりシミュレーションしましょう。
よく言われるのは借入金額は年収の6~7倍が目安ということです。
返済額から考える場合は収入の20~25%(返済率)を上限にすると理想的だとされています。

年収が600万円の人の場合

目安の借入金額は600万円×7倍 = 4200万円程度

返済比率25%とした時の月々の返済額の目安は

600×25%/12月 = 12,5(万円/月)

4200万円の借入で月々の返済額12.5万円にした場合金利により変動しますが

返済期間は35年にする必要があります。

あくまでも目安ですがご自身の収入と生活費を考慮するとどのくらいであれば無理なく返済ができそうなのかを検討してみてください。お子様の学費や自動車の購入などのライフイベントの時期もシミュレーションしておくと不安が少なくなると思います。

金利
5000万円程度の借入額で金利が0.1%違うと総返済額は100万円程度変わってきます。金融機関によって様々な住宅ローンが取り揃えられているためしっかり検討するようにしましょう。日銀は2025年1月に長らく続いてきた0金利政策から舵を切り、政策金利の引き上げを決定しました。これに伴い今後住宅ローンの金利にも影響が出てくるかもしれません。

住宅ローンと聞くとついつい金利に目がいってしまいますが、返済開始時期についても金融機関によって異なる対応になる場合があるので必ず確認するようにしてください。家具や家電、引越し費用なども住宅ローンに含めることができます。お手持ちに余裕がない状態でも住宅を建てることは可能です。こういった話をするとすごく怪しい話に聞こえてしまいますが…。

しかし我々のように土地付き建物ではなく土地購入と建築工事が別になる注文住宅の場合は気をつけるべきことがあります。

通常融資が実行されるとローン返済がスタートします。建物のみ住宅ローンを利用する場合は建物引渡し後からローン返済が始まりますが、土地も建物も一緒に住宅ローンを組む場合には土地を買うために融資実行をした時点から返済がスタートしてしまいます。そのため現在住んでいる家賃などと住宅ローンをダブルで支払わなければならなくなります。

また施工業者の支払い条件が3回など複数回に分けられている場合も同様です。そんなダブルの支払いは厳しい(泣)という方の負担を減らすために「つなぎ融資」という方法があります。

つなぎ融資
土地購入から建物完成までの間に発生する支払い分を融資し建物完成後の住宅ローンによって返済される融資です。住宅ローンとつなぎ融資の2つのローンを組むことになります。土地購入時から建物完成までの間(つなぎ融資期間中)には利息分のみの返済が発生します。

また、つなぎ融資と似ているローンで「土地先行融資」を取り扱っている金融機関もあります。

土地先行融資
土地の購入費用だけ先行して融資を受けることができます。建物完成後に建築工事費用を追加して融資を受けるようになります。土地購入から建物完成までの間はローンの利息分のみの返済となり負担を減らすことができます。

これらの融資タイプはいずれも金融機関によって取り扱いのある場合とない場合があるので必ず確認するようにしてください。

住宅ローン金利
長らく続いてきた超低金利を日銀は引き上げ始めました。これに伴い住宅ローンも上昇するかもしれないといったニュースが囁かれています。住宅を検討する際に各部の仕様による金額を比較しますがローン金利にもよくよく注意を払わないと返済総額は大きく変わってきます。金利計算はやや複雑ですが5000万程度の借入を返済期間35年とした場合、金利が0.1%違うと返済総額は100万円も変わります。ローン金利は金融機関や様々な条件により多くの違いがありますが、しっかり向き合って検討することをお勧めします。

保証料
住宅ローンをでお金を借りて返済ができなくなってしまった際に変わりに金融機関に一括返済をしてくれるのが保証会社です。保証会社と契約することで金融機関側はリスクを回避できます。お金を借りた側は返済金を支払う相手が金融機関か保証会社かが変わるだけで返済義務は残ります。

保証料は借入金額の0〜2%程度と言われていますが保証会社によって違いがあるため、金融機関ごとの金利だけではなく保証料についても比較することをお勧めします。

事務手数料
事務手数料は金融機関に支払う手数料です。各金融機関ごとに違うためこちらも確認しておきましょう。